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二次元の円錐曲線軌道と極座標

(2020/12/24)
 正円、楕円、放物線、双曲線を総称して円錐曲線といいます。円錐を平面で切ったときの切り口が、左で示した四つの曲線のうちどれかになります。底面と並行に切ると、正円、側面と並行に切ると放物線になります。それ以外で、閉じた曲線になるのが楕円で、開いた曲線になるのが双曲線です。また、それぞれの形状を表すときに離心率(ε)という指標を用います。
 軌道長半径を a、近点距離を q とするとき、それらには次の関係が成り立ちます。

  • a(1-\varepsilon)=q

 離心率(ε)が 0 のときは軌道長半径(a)と近点距離(q)が等しくなり正円です。離心率(ε)が 0 より大きく、1 より小さいときは、軌道長半径(a)と近点距離(q)が異なり、楕円になります。離心率(ε)が 1 のときは、左辺が 0 になり、この式は成り立たないので、曲線は閉じず、軌道長半径も存在しません。この状態が放物線です。次に離心率(ε)が 1 を超えると、軌道長半径が負数になってしまいます。この場合も曲線は閉じず、軌道長半径も仮想的な値になります。この状態が双曲線です。
 さて、今まで求めた各曲線軌道の極座標形式を紹介します。

X Y Ω ω

楕円軌道

  • (x,y)=\frac{a(1-\varepsilon^2)}{1+\varepsilon\cos\theta}(cos\theta,\sin\theta)

 軌道長半径(a)を近点距離(q)に置き換えます。

  • (x,y)=\frac{q(1+\varepsilon)}{1+\varepsilon\cos\theta}(cos\theta,\sin\theta)

放物線軌道

  • (x,y)=\frac{2q}{1+\cos\theta}(\cos\theta, \sin\theta)

 離心率(ε)は 1 であることから式を置き換えます。

  • (x,y)=\frac{q(1+\varepsilon)}{1+\varepsilon\cos\theta}(\cos\theta, \sin\theta)

双曲線軌道

  • (x,y)=\frac{q(1+\varepsilon)}{1+\varepsilon \cos\theta}(\cos\theta, \sin\theta)

 近点距離(q)と離心率(ε)が与えられ、共通重心が(0,0)、近点座標が(q,0) とした場合、円錐曲線軌道はすべて同じ式で表すことができます。ぞれぞれの違いは、偏角(θ)の有効範囲だけになります。偏角(θ)は、閉じた曲線ではすべての範囲で有効ですが、開いた曲線では一部の範囲で無効になります。