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惑星系

太陽系の領域 - 彗星の巣

(2021/05/04) 太陽系には「オールトの雲」という彗星の巣があります。実際のところ、何があるか分かっていません。長周期彗星の遠日点を統計的に集めたところ、太陽系の外周部に多数の彗星状天体があると見積もられています。 まず、近点距離(q)と離心率(ε)…

太陽系の領域 - 外縁天体

(2021/02/23) 太陽から4.17光時以上離れた領域にあるものを外縁天体と呼びます。カイパーベルト天体と言われますが、天体の名前に人名由来の名称を付けるのは恐れ多いので外縁天体と呼びます。この領域では水素とヘリウムを除く揮発性物質がすべて固体に…

太陽系の領域 - 巨大惑星

(2021/02/21) 木星と海王星の間は巨大惑星の領域になります。太陽からの距離で0.72光時(lh)から4.17光時までの間です。平衡温度は122ケルビン(K)から50ケルビンの間です。この温度領域になると、揮発性物質(水蒸気、二酸化炭素、アンモニア、…

太陽系の領域 - 小惑星帯

(2021/02/21) 火星軌道と木星軌道の間には小惑星帯があります。太陽からの距離が211ミリ光時(mlh)から721ミリ光時の間にあります。平衡温度では226ケルビン(K)以下、122ケルビン以上です。この領域にある小惑星は、主にC型・S型・M型に分けら…

太陽系の領域 - 岩石惑星

(2021/02/14) 太陽から221ミリ光時(mlh)、火星までの軌道になるのが岩石惑星領域です。この領域は平衡温度として226ケルビン(K)以上の温度があります。水の3重点である273.15ケルビンよりは低いですが、真空に近い状態では、226ケルビンでも…

太陽系の領域 - 太陽

(2021/02/13) 今回から太陽系の領域について書きます。太陽そのものも興味深い天体なのですが、直接、人類が到達することは不可能なので、人類が間接的に恩恵を受けている温度について書きます。 Gm: ギガメートル (giga metre): 106 km mlh: ミリ光時 (mill…

惑星の公転軸ベクトルと惑星間の軌道傾角

(2020/10/11) 軌道傾角は主に地球を基準にして計測されますが、たまたま観測者が地球上にいるから地球が 0° になっているだけで、地球が 0° である必然性はありません。多くの場合、軌道傾角を支配するのは、主星の赤道面か、伴星の中で最も質量の大きい天体…

惑星の公転軸ベクトルと軌道面

(2020/10/11) 前回*1、昇交点角を Ω、軌道傾角を ι としたときの公転軸ベクトルを求めました。この公転軸ベクトルを法線ベクトルとして、法線ベクトルと直交し、原点を通るベクトルの集合が公転軌道面となります。すなわち、法線ベクトルと内積がゼロになる…

惑星の公転軸ベクトル

(2020/10/11) 惑星の公転を独楽に例えると軌道面は独楽の胴となり、公転軸は独楽の軸となります。公転軸の式を求めます。軌道面が XY平面のとき、公転軸ベクトルは (0, 0, z) となります。公転軸の場合、ベクトルの長さは意味を持たないので、今後の扱いやす…

惑星の軌道要素と火星の大接近

(2020/10/10) 惑星の軌道要素を紹介します。 Gm: ギガメートル (giga metre): 106 km mlh: ミリ光時 (milli light hour): 1.0792528488×106 km 軌道長半径: Gm (mlh) 離心率 近点角 軌道傾角 昇交点角 a ε ω + Ω i Ω 水星 57.909 (53.657) 0.25064 77.7518° …

太陽を揺り動かす惑星

(2020/10/04) 太陽系の質量の99.87%*1は太陽に集まっています。したがって、他の連星系と違い、太陽を公転する天体で、複雑な軌道を考える必要はありません。楕円軌道で近似でき、多少の摂動はあっても、40億年以上も定まった起動を保つことができました。し…

太陽系における質量の偏り

(2020/01/26) 下記の表は、太陽系において太陽とそれ以外の天体を合わせた質量を比率で示しています。細かな誤差はありますが、100対0.13417ぐらいに収まっていくようです。このように、太陽系の 99.87% の質量を太陽が占めています。この質量の圧倒的な偏り…