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太陽を揺り動かす惑星

(2020/10/04)

 太陽系の質量の99.87%*1は太陽に集まっています。したがって、他の連星系と違い、太陽を公転する天体で、複雑な軌道を考える必要はありません。楕円軌道で近似でき、多少の摂動はあっても、40億年以上も定まった起動を保つことができました。しかしながら、惑星の質量はゼロではないので、太陽も惑星に揺り動かされています。どのぐらい揺り動かされているか、紹介します。

  • h: 時間: 3600秒
  • Jy: ユリウス年: 8766時間
  • Zt: ゼタトン (zetta tonne): 1021 t, 1027 g
  • Tm: テラメートル (tera metre): 1012 m
    • lh: 光時 (light hour): 1.0792528488×1012 m
  • Mm: メガメートル (mega metre): 106 m
    • μlh: マイクロ光時 (micro light hour): 1.0792528488×106 m
  • km: キロメートル (kilo metre): 103 m
    • nc: ナノ光速 (nano celeritas): 1.0792528488×103 m/h
天体 距離: Tm (lh) 周期: Jy 質量: Zt 半径: Mm (μlh) 揺れ: km/h (nc)
太陽 - - 1,989,100 695.500 (644.428) -
天体 距離: Tm (lh) 周期: Jy 質量: Zt 重心: Mm (μlm) 揺れ: km/h (nc)
水星 0.058 (0.054) 0.241 0.330 0.010 (0.009) 0.029 (0.027)
金星 0.108 (0.100) 0.615 4.868 0.265 (0.245) 0.309 (0.286)
地球 0.150 (0.139) 1.000 5.974 0.449 (0.416) 0.322 (0.298)
火星 0.228 (0.211) 1.881 0.642 0.074 (0.068) 0.028 (0.026)
木星 0.778 (0.721) 11.862 1,898.129 741.995 (687.508) 44.837 (41.545)
土星 1.429 (1.324) 29.532 568.317 408.283 (378.302) 9.909 (9.182)
天王星 2.875 (2.664) 84.253 86.808 125.467 (116.254) 1.067 (0.989)
海王星 4.504 (4.174) 165.227 102.410 231.903 (214.873) 1.006 (0.932)

 惑星のなかで、太陽との共通重心が最も太陽の中心から離れているのは、木星です。その長さは、 741.995 Mm (687.508 μlh) で、これは太陽半径 695.500 Mm (644.428 μlh) よりも長くなっています。したがって、太陽は木星との共通重心を 11.86年の周期で回っているともいえます。他の巨大惑星は、125.467 Mm (116.254 μlh) から 408.283 Mm (378.302 μlh) の間で、これは太陽半径以下の値です。一方、岩石惑星は、0.010 Mm (0.010 μlh) から 0.449 Mm (0.4l6 μlh) の間で、ほとんど太陽に影響を与えていません。
 しがしながら、共通重心という指標では、地球の質量でも、太陽から木星の距離よりも 320倍遠方にあれば、太陽を共通重心の周りに回すことができます。だから、惑星の太陽への影響力は太陽の中心から共通重心までの距離ではなく、共通重心をどのくらいの速度で揺り動かしているかになります。
 適当な用語がないので、「揺れ」と示しました。正確に表すと「惑星と太陽の共通重心を太陽が楕円軌道を描いて回る速度」になります。太陽を最も揺り動かしているのは木星で、44.837 km/h (41.545 nc) です。100m走金メダリストの最高速度ぐらいです。天文学的にはほぼ止まっているといっていいでしょう。一方、木星は太陽からその1000倍強の速さで振り回されています。

(2021/02/05)

 光速を lv (light velocity) から c (celeritas) に変えました。