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太陽系における質量の偏り

(2020/01/26)

 下記の表は、太陽系において太陽とそれ以外の天体を合わせた質量を比率で示しています。細かな誤差はありますが、100対0.13417ぐらいに収まっていくようです。このように、太陽系の 99.87% の質量を太陽が占めています。この質量の圧倒的な偏りこそ太陽系内天体の軌道を安定させています。

  • Yt: ヨタトン (yotta tonne): 1024t, 1030g
天体 質量(Yt) 累計(Yt) 比率(%)
1 太陽 1,989.1 1,989.1 100.0
天体 質量(Yt) 累計(Yt) 割合(%)
2 木星 1.8986 1.8986 0.09545
3 土星 0.56846 2.4671 0.12403
4 海王星 0.10243 2.5695 0.12918
5 天王星 0.086832 2.6563 0.13354
6 地球 0.0059736 2.6623 0.13384
7 金星 0.0048685 2.6672 0.13409
8 火星 0.00064185 2.6678 0.13410
9 水星 0.0003302 2.6681 0.13414
10 Ganymede 0.0001482 2.6683 0.13415
11 Titan 0.0001345 2.6684 0.13415
12 Callisto 0.0001076 2.6685 0.13416
13 Io 0.0000893 2.6686 0.13416
14 0.0000735 2.6687 0.13417
15 Europa 0.000048 2.6687 0.13417
16 Triton 0.0000215 2.6688 0.13417
17 Eris 0.0000167 2.6688 0.13417
18 冥王星 0.00001311 2.6688 0.13417

 天体の軌道が解析的に決まるのは天体がわずかに2個だけのときです。天体が3個以上になると解析的に決まらず、それぞれの質点に働く重力加速度ベクトルをすべて足し合わせて次の天体位置を決めていく必要があります。それぞれの天体がほんの少しでも位置を変えると、重力加速度ベクトルの向きも刻々と変わっていきます。このような状況で、質量の近い天体が3個以上あると、長期的に3個がすべて近隣位置にいることはできず、そのうち1個が遠くへ跳ね飛ばされるか、2個がぶつかり、一つに合わさるか、小片にばらされるかいずれかになります。
 太陽系の惑星が46億年にわたって安定した軌道にあるのは、太陽系内において質量の99.87%が太陽に集まっているからです。