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近点移動と交点移動

(2021/05/05)

 惑星や衛星の軌道は、三個以上の天体の影響により、常に変わります。軌道長半径(a)と離心率(ε)と軌道傾角(ι)は長期間同じ値で保たれますが、近点角(ω)と昇交点角(Ω)は一年間で数度から数十度変わるのも珍しくありません。特に衛星系の場合、公転周期が数時間のものもあり、このような天体では近点角と昇交点角が一年間で数百度変わることもあります。要するに一年間のうちに、近点角が軌道上を一回り以上動きます。これらの現象を近点移動と交点移動といいます。
 近点移動と交点移動を含めて、軌道図を描くのは不可能なので、それらを含めませんが、楕円軌道に現実味を持たせるためには、特定の時期を決めて、近点角と昇交点角を軌道図に含める必要があります。

近点移動と交点移動

X Y

時間の単位、ミリ時

(2021/05/05)

 宇宙空間で距離を表す単位として、光が単位時間当たりに進む距離を用います。恒星間を超える距離に対しては光年が使われます。これには距離を表すと同時に時間も含まれます。例えば、100光年先にある恒星の場合、現在見える姿が100年前のものであるという意味を含みます。これはどんなに近距離でも当てはまることで、例えば、現在見ている太陽の姿は500秒前のものです。したがって、太陽までの距離は500光秒ということもできます。
 このように距離を光が進む時間で表すことは合理的なのですが、問題はメートルとの数値がかけ離れていることです。これは仕方のないことで、メートルを定めた時代には光の速度が有限であるという発想はありません。まして、どの物体もその速度を超えられないことも知られていません。
 ここで、主な時間単位と光の移動距離との関係を掲げます。

  • 年: 9.4607304725808×1015 = 9.4607304725808 Pm
  • 時: 1.0792528488 × 1012 = 1.0792528488 Tm
  • 秒: 299.792458 × 106 = 299.792458 Mm

 この中で、メートルの十の累乗倍と10%以内の差に収まるのは、「年」と「時」です。ただ「年」は日常の時間単位としても長すぎて、0.0001年後に待ち合わせといっても、それが約1時間後であるという発想に至りません。従って、時間単位と光の移動距離を結び付けるのは「時」のほうがより身近な単位になります。
 ところが、「時」でも、人間の感覚と比べて長すぎて、一部の例外的な人を除き、機械に頼らずに1時間を正確に言い当てることはできないでしょう。一方、「秒」のほうは、人間の平均的な脈拍である60~90の間隔に近く、訓練を積むことで誰でも正確に長さを感じ取ることができます。例えば、秒速の場合、1秒間を感じ取ることができるので、その間に進んだ距離を思い浮かべて、速度を感じ取ることができます。新幹線の速度を表す場合、時速360km よりも、秒速100m のほうが体感的にわかります。
 しかし、毎回3600で割るのは面倒です。ここで、3.6秒を「1ミリ時(mh)」とします。これは、脈拍が約67回の人が4回脈を打ち、脈拍が約83回の人が5回脈を打つ時間です。これであれば、体感的に感じ取ることが可能です。ミリ時速360m(360m/mh)であれば、脈を4回打つあいだに、360m進む速度です。

  • 地球の半径: 6.378137 Mm (5.909771 μlh)
  • 地球の脱出速度: 40.284 km/mh (37.326 nlh/mh = 37.326 μc)*1
  • 地球の重力加速度: 126.753 m/mh2 (117.445 nc/mh)*2

 例えば、重力加速度は、3.6秒間に、ミリ時速126.753 m が増します。

太陽系の領域 - 彗星の巣

(2021/05/04)

 太陽系には「オールトの雲」という彗星の巣があります。実際のところ、何があるか分かっていません。長周期彗星の遠日点を統計的に集めたところ、太陽系の外周部に多数の彗星状天体があると見積もられています。
 まず、近点距離(q)と離心率(ε)から遠点距離(Q)を導き出す計算式を示します。

  • 道長半径: a=\frac{q}{1-\varepsilon}
  • 遠点距離: Q=2a-q=\frac{2q}{1-\varepsilon}-q=\frac{q(1+\varepsilon)}{1-\varepsilon}

 次に、2019年の天文年鑑から、最近見つかった彗星で、離心率が1.0未満で周期が定まっていないものを示します。

  • lh: 光時 (light hour): 1.0792528488 Tm (1012m)
  • ly: 光年 (light year): 9.4607304725808 Pm (1015m)
近点距離:lh 離心率 遠点距離:lh(ly)
地球 0.136298 0.016700 0.140927
海王星 4.134192 0.009460 4.213158
1 C/2018 L2 0.237266 0.992985 67.408134
2 C/2018 F1 0.414884 0.990697 88.778727
3 C/2018 N1 0.181255 0.996474 102.629392
4 C/2018 A3 0.454205 0.993466 138.573903
5 C/2018 EF9 0.215781 0.997776 193.832037
6 C/2018 KJ3 0.502920 0.995381 217.258693
7 C/2017 T2 0.114413 0.999268 312.490724
8 C/2017 T2 0.223877 0.999616 1165.803460(0.132991)
9 C/2017 U2 0.928740 0.999208 2344.373792(0.267439)
10 C/2017 AB5 1.277481 0.999908 27770.047289(3.167927)

 当てはまる彗星の数は10個です。遠点距離は67光時から27770光時(3.17光年)までです。これらの軌道は何らかの天体の重力により太陽に近づくように変えられたものです。ただし、二回以上重量作用があったものは、元の位置を特定することはできません。したがって、必ずしも、以前は遠点距離の位置にいたとも言えません。

太陽系の領域 - 外縁天体

(2021/02/23)
 太陽から4.17光時以上離れた領域にあるものを外縁天体と呼びます。カイパーベルト天体と言われますが、天体の名前に人名由来の名称を付けるのは恐れ多いので外縁天体と呼びます。この領域では水素とヘリウムを除く揮発性物質がすべて固体になっているので、岩石惑星では考えられないような地質活動が行われています。その中で大きい天体を表で取り上げます。

  • Tm: テラメートル (tera metre): 109 km
    • lh: 光時 (light hour): 1.0792528488×109 km
道長半径 離心率 近点引数 軌道傾角 昇交点角 周期 温度
a: Tm (lh) ε ω: ° i: ° Ω:° P: Jy T: K
海王星 4.504 (4.174) 0.00964 276.3978 1.7682 131.9935 165.227 50 K
冥王星 5.961 (5.523) 0.25380 115.0100 17.1000 110.3000 251.500
Haumea 6.476 (6.000) 0.19210 238.5600 28.2100 122.1100 284.800
Makemake 6.815 (6.315) 0.15810 295.0800 11.9300 79.6500 307.500
Eris 10.134 (9.390) 0.43880 151.6900 44.1400 35.9000 557.600

 外縁天体の軌道は離心率の大きい楕円が多く、しかも黄道面から大きく傾いています。したがって、Z軸正方向から見た軌道図は相互が入り組んだ状態になっています。近点位置に四角の印を付けているので、近点位置は、X軸正方向から反時計回りに、Makemake、海王星、Eris、冥王星、Haumea の順番に並んでいます。

  • Mm: メガメートル (mega metre): 103 km
    • μlh: マイクロ光時 (micro light hour): 1.0792528488×103 km
  • Et: エクサトン (exa tonne): 1018 t, 1024 g
直径: Mm (μlh) 質量: Et
3.476 (3.221) 73.49
冥王星 2.390 (2.214) 13.11
Haumea 2.000 (1.853) × 0.996 (0.923) 4.20
Makemake 1.700 (1.575) 4.00
Eris 2.400 (2.224) 16.70

 左側から、月、冥王星、Haumea、Makemake、Eris になります。

太陽系の領域 - 巨大惑星

(2021/02/21)
 木星海王星の間は巨大惑星の領域になります。太陽からの距離で0.72光時(lh)から4.17光時までの間です。平衡温度は122ケルビン(K)から50ケルビンの間です。この温度領域になると、揮発性物質(水蒸気、二酸化炭素アンモニア、メタン、一酸化炭素、窒素)が徐々に固体になります。木星の近くでは水蒸気が固体になり海王星の近くでは窒素まで固体になります。惑星形成時に当時大量にあった揮発性物質が固体になっていることから、岩石惑星と比べて、大量の物質を集めることができ、巨大惑星になりました。また、水素とヘリウムを引き留めることのできる表面重力を持つことになり、さらに巨大化しました。この領域は巨大惑星だけでなく、惑星級の氷衛星も多数あり、太陽系の主要天体が集まっています。

  • Tm: テラメートル (tera metre): 109 km
    • lh: 光時 (light hour): 1.0792528488×109 km
道長半径 離心率 近点角 軌道傾角 昇交点角 周期 温度
a: Tm (lh) ε ω + Ω: ° i: ° Ω:° P: Jy T: K
木星 0.778 (0.721) 0.04853 14.6376 1.3022 100.6584 11.862 122
土星 1.429 (1,324) 0.05549 93.4304 2.4882 113.8321 29.852 90
天王星 2.875 (2,664) 0.04638 173.2877 0.7733 74.1050 84.235 63
海王星 4.504 (4,174) 0.00946 48.3913 1.7682 131.9935 165.227 50

※近点角(近日点黄経) について注記あり、軌道要素*1を参照
 内側から、木星土星天王星海王星です。


  • Mm: メガメートル (mega metre): 103 km
    • μlh: マイクロ光時 (micro light hour): 1.0792528488×103 km
  • Zt: ゼタトン (zetta tonne): 1021 t, 1027 g
直径: Mm (μlh) 質量: Zt
地球 12.756 (11.819) 5.974
木星 142.984 (132.484) 1,898.129
土星 120.536 (111.685) 568.317
天王星 51.118 (47.364) 86.808
海王星 49.532 (45.895) 102.410

 左側から、地球、木星土星天王星海王星になります。