楕円軌道と移動距離
(2020/12/19)
前回、軌道速度(v)を導き出したので、今回は、移動距離(l)を導き出してみます。なお、軌道長半径を a、離心率を ε、公転周期を P としています。
- 軌道速度*1:
軌道速度(v)は本来時間(t)による変移なのですが、上の式では角度(θ)による変移になっています。時間と角度の関係が必要です。ここで角速度(Δθ)の式を思い出してください。
- 角速度*2:
微小区画の関係は下の通りです。
微小区画の式を積分したものが移動距離です。
- 移動距離:
移動距離は楕円積分なので、計算機を使える場合は、解析的に解いて値を求めるよりも、区分求積法で値を求めるほうが確実です。離心率と楕円の周長、面積の関係を表にまとめます。離心率が 0 のとき、すなわち正円のときの値を 1 としてその比を示します。
離心率:ε | 0.0 | 0.2 | 0.4 | 0.6 | 0.8 |
---|---|---|---|---|---|
周長 | 1.0000 | 0.9899 | 0.9587 | 0.9028 | 0.8126 |
面積 | 1.0000 | 0.9798 | 0.9165 | 0.8000 | 0.6000 |
本ブログのように焦点座標を原点として、楕円の周長を求める解法は見慣れないと思います。検算には下記のサイトを用いています。